3粒莢多く、多収、草勢強くつくりやすい中早生品種
●特性
1. 3粒莢率が高く、総着莢数の多い多収型品種です。
2. 莢の色は緑色で光沢があり、豆は3㎝前後でよくそろいます。
3. 青果用として食味がよいです。
4. 草勢強く、寒さにも比較的強くて、つくりやすいです。熟期は中早生種です。
●適応性
土壤適応性は広いですが、保水力のある埴壤土で耕土の深い地力のあるところがよく、土壤酸土pH6.5~7.0が適します。連作はさけます。生育適温15~20℃。耐寒性は比較的強いです。
バーナリ効果はよいほうなので暖地のハウス・トンネル・露地での早出し栽培、寒冷地の春まき栽培に向きます。また、一般普通栽培でも能力が高いです。
●播種
発芽適温は5~20℃です。
まき方は、オハグロを斜め下にして種子が少し見える程度に挿します。十分灌水し、乾燥を防ぐために敷ワラをします。
定植時の苗の大きさは、本葉1.5~2枚が適期で大苗になると植え傷みしやすいです。栽植密度は1.5~1.8m×50㎝です。10a当たり1,100~1,300株が標準です。
直まきは、2㎝くらい覆土する深さにまきます。なお欠株の補植用として圃場の隅にも少しまいておきます。
●肥料
緩効性肥料を主体に10a当たり成分で窒素7㎏、リン酸12㎏、カリ7㎏、苦土石灰120㎏、堆肥1,000kgを標準とします。
水田裏作は高畝で排水をよくし、肥料は2~3割増やします。追肥は開花少し前に窒素、カリを2~3㎏施用します。
●管理
整枝期、開花期と着莢最盛期に窒素、カリを成分で3㎏程度施します。
整枝は、早く出たよい枝を5~8本残し他は摘除します。その後も分枝してきますので適宜、整枝をし、土寄せを行い、無効分枝を抑え、風などによる枝の裂けや倒伏を防ぎます。土寄せは、分けつ枝を広げるように株の中央部に置き土をします。
●病害虫防除
赤色斑点病、さび病、アブラムシ、ウイルス病、ソラマメゾウムシなどが発生するので予防に努めます。
●収穫
莢に光沢が出てきて莢の縫合線が黒くなり、莢が上向きから水平になったころが適期です。
●各作型の栽培のポイント
1.ハウスまたはトンネル栽培(暖地)
8月上旬~9月下旬に催芽して根が2~3㎜伸びたころに、3~5℃で20日~25日間低温処理し、ポット育苗します。育苗中は寒冷紗をかけウイルス病を防ぎます。定植は10月上旬~11月上旬です。
2.普通栽培(中間地)
播種は10月中旬~下旬です。定植は10月下旬~11月上旬です。あまり早まきするとウイルス病の発生が多くなり、また、年内に生育が進みすぎ寒害を受けやすくなるので本葉4~5枚で越冬するようにします。
3.春まき栽培(寒冷地)
2月中旬~下旬に無加温ハウスに播種します。3月中旬までポット育苗し定植します。春まきは分枝数が少ないので、栽植距離は1.0×0.3mとし、10a当たり3300株が標準です。ソラマメは、低温で花芽分化するので、播種期が遅くなると着莢数が少なくなります。適期に、播種、定植することが大切です。