白毛、早生 ほんのり香りがある おいしいエダマメ
●特性
1.79~80日タイプ(関東標準)の早生品種。
2.極早生品種同様に早い作型の栽培にも向き、秋収穫(抑制栽培)にも適応性がある。
3.3粒莢率が高く、ほんのり香りがあり、おいしい。
4.ハウス、トンネル作型でも安定して着莢する。
5.「天ヶ峰」と比較して、分枝が少なく(出荷調整が容易)、樹もコンパクトでおとなしいが、莢が大きく、色も濃い。
●適応性
一般地、暖地のハウス、トンネル栽培から、高・冷涼地の露地栽培まで適応します。早まきしても樹ボケしにくいため、とくにハウス、トンネル作型のような早い作型において、高い能力を発揮します。
また秋収穫*(抑制栽培)も可能です。
*秋収穫について・・・栽培後半にかけて、地域により温度の下がり方に差があるので、作型設定に注意します。
●土づくりと施肥
エダマメは連作障害が出やすいので、同じ圃場での栽培はできるだけ避けます。圃場の準備は、早めに完熟堆肥、石灰の全量を施し、通気性のよい土づくりをします。施肥量は圃場の肥沃度や作型などにもよりますが、10aあたり窒素7㎏、リン酸12㎏、カリ10㎏程度を標準とします。追肥は開花期から着莢期に施すと子実の太りや莢色がよくなります。施肥量は10aあたり、窒素、カリそれぞれ2㎏程度を目安とし、草勢を見ながら調整します。
●播種・育苗
ハウス栽培やトンネル栽培など地温が上がらない時期は育苗を行い、移植栽培とします。発芽適温は25℃前後。発芽後は十分に換気を行い、床温を15℃程度まで下げ、徒長させないように注意します。露地栽培で直播する場合は、遅霜の心配がなくなってから播種します。畝間40~50㎝、株間15~20㎝とし、1穴3~4粒まきとします。間引きは初生葉が展開し、第1本葉がわずかに出たころに行い、根元を切り取るなどして、根を傷めないように1~2本仕立てにします。
●定植
初生葉が展開し、本葉が見えたころまでが定植の適期です。ハウス、トンネル栽培の場合、畝間20~30㎝、株間15~20㎝で1~2本仕立てとします。
●管理
ハウス、トンネル栽培で定植した場合、活着を促進するために夜温は最低12℃を確保します。活着後は日中20~25℃、夜温12~15℃を目安とし、徒長や過繁茂を防ぎます。
「いきなまる」は徒長しにくい品種なので、生育初期から積極的に灌水し、樹を伸ばすことが増収へのポイントです。また、エダマメは夏の作物なので、蒸し込み栽培*が増収に効果的です。このとき、乾燥には注意が必要です。とくに開花期から着莢期にかけての乾燥は、着莢不良を招くので積極的に灌水します。
*蒸し込み栽培・・・30℃程度を上限として、湿度を保ちながら乾燥させないように温度を保ちます。
●病害虫防除
アブラムシ、カメムシ、メイガ類、ダニ類などの被害があると品質が落ちるので、病害虫の発生予察情報や、圃場での発生状態に注意し、発生初期からの防除を徹底します。
●収穫
高品質エダマメを収穫するためにも適期収穫を心がけます。収穫は莢温が上がらない午前中に行い、調整は涼しい場所で行います。収穫後に収穫物の温度を上げないようにすることが、食味を落とさないポイントとなります。