●特長
草丈がやや高く、茎が太くてガッチリとした、倒伏に強い白毛の中生種です。莢は大きく、2~3粒莢が多いのが特長です。霜の降りる心配がなくなる4?5月以降にまきます。
●栽培環境・土づくり
タネまきの2週間前に1㎡当たり苦土石灰100g、1週間前に完熟堆肥2kgとリン酸、カリ分を多く含む有機配合肥料50gくらいを施します。マルチ栽培などで追肥ができない場合は、元肥に速効性肥料を全量施すと、開花前に肥効が上がって樹ボケ状態になりやすいので、緩効性肥料を使います。うね幅45cm、株間20~25cmを標準とします。
●タネまき・植えつけ
地温は15℃以上を確保します。直まきの場合は1か所に3~4粒点まきし、本葉が開くころに1~2本立ちにします。移植の場合は、双葉が展開し、初生葉が伸び始めてから展開が終わるまでに植えつけます。老化苗にすると活着が悪くなり、その後の生長に影響するので、若苗での植えつけをおすすめします。
●管理のポイント
開花期の極端な乾燥は落花が多くなり、着莢数が少なくなるので、この時期の水やりは重要です。開花前後の10日間は、夜間の最低気温を20℃以上確保しないと、不稔莢や未発育莢が多くなります。
●病害虫・生理障害
連作、過湿、過繁茂などにより、べと病、斑点細菌病、モザイク病などが多くなるので、連作を避け、水はけをよくし、窒素過多による過繁茂を防ぎます。アブラムシ、カメムシ、メイガ、コガネムシ、ハダニなどに注意します。
■プロの方向け情報
極濃緑色大莢、中生白毛の品質のよい豊産品種
●特性
1.白毛の中生種です。
2.莢は極濃緑色、大莢で2~3粒莢が多いです。
3.草姿は、草丈がやや低く、茎が太く、がっちりとしていて倒伏しにくいです。葉はやや小葉で極濃緑色です。
4.品質のよい豊産品種です。
●適応性
露地栽培用品種です。一般地では4月上旬から5月上旬に播種して、7月下旬から8月中旬に収穫します。寒冷地では4月下旬から6月上旬に播種して8月中旬から9月上旬に収穫します。栽培のしやすい作型に適するので、高品質のものができます。
●播種
直まき栽培と育苗して植えつける栽培とがあります。直まきして鳥害のでるようなところでは育苗をするとよいです。直まきでは3粒まきして、2本間引きます。欠株があった場合は間引いた苗を補植します。あるいは畑の隅に残り種子をまいておき、その苗を補植します。
育苗の場合は、箱まきまたは播種床に播種後、寒冷紗被覆をして鳥害から守り、土壌水分を保つようにします。育苗の場合、移植適期は、初葉が展開して、本葉が出始めるころに早めに移植するとよいです。
育苗した苗を掘りとる場合は、直根を切らぬようにして、根が乾かないよう気をつけます。
移植するのは地温が上がってから行うと活着がよいです。
畝幅75㎝、株間36~45㎝の1本植として、密植しないようにします。
●肥料
前作の残効を考えて施肥しなければなりませんが、少肥では草丈が伸びず着莢もわるく、多肥では徒長・つる化し収量が落ちます。施肥は成分量で窒素10㎏、リン酸15㎏、カリ15㎏を標準とします。土壌消毒した場合は窒素成分を3割程度減らすようにします。元肥は全面散布して耕します。
●病害虫防除
虫害として、アブラムシ、カメムシ、ハダニ類などがあります。それぞれ早めの防除を心がけるようにします。病害についてはモザイク病、べと病、斑点細菌病などがあり、これらについても同様に早期防除を心がけます。
●収穫・出荷
エダマメの生産でもっとも労力を必要とするもので、収穫は適期を逃さぬよう労力にあわせて作付しなければなりません。出荷方法は産地による差がありますが、枝ごと出荷するところでは、黄化葉、病害虫を受けた葉、不稔莢、1粒莢を取り除いて出荷します。また、莢を手もぎして出荷するところでは、莢色が黄化したものや、1粒莢、欠粒莢を取り除き、基準にあわせた出荷方法をとります。