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お客様の声 都倉農園様

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■ 小林種苗 顧客事例 - 都倉農園 




兵庫県加古川市で農業を営む都倉農園代表の都倉貴博氏に、農園の現状と今後の展望、そして小林種苗との関わりについて詳しくお聞きしました。


(都倉貴博氏について)
「愛と笑顔を食卓へ」の想いを胸に都倉農園を経営。小松菜、水菜を中心に露地栽培しています。地元加古川の「加古川農業青年クラブ」で会長を務めるなど、若い農家のリーダー的存在として注目されています。
もくじ 
  1.  都倉農園について 
  2.  農業が下火なら盛り上げればいい 
  3.  大成功!「小松菜バカがおる」 
  4.  専作することのリスク 
  5.  製品の品質こそが信用につながる 


 都倉農園について 


都倉貴博氏
「新鮮・安全な野菜を生産しています」
― 都倉農園について教えてください。 

都倉農園は小松菜と水菜を中心とした葉物野菜をハウスで露地栽培しています。収穫から出荷まで人の手で丁寧に行い、新鮮で安全な野菜を生産・販売しています。もともと祖父がやっていた農園を、5年前にわたしが引き継ぎました。


― 農園を引き継いだ理由をお聞かせください。 

わたしは生まれも育ちも神戸の都市部で、大学卒業後はアパレルメーカーに就職。農業経験は一切ありませんでした。しかし、「おじいちゃんも90歳になってもう農園が続けていけないから」と親に懇願され、やむなく後を継ぐことを決意しました。
農業の知識を学ぶため半年間の研修を受けてはみたものの、すぐには農業にたいする興味がわくことはありませんでした。気持ちが後ろ向きだったためでしょうか、楽しさを感じることができなかったんです。


 農業が下火なら盛り上げればいい 

― 後ろ向きな気持ちが変化するできごとがあったのですか? 

地元の若い農家が集まって活動している「加古川農業青年クラブ」と出会ったことです。現会員の方だけではなく、元会員の先輩方とも知り合うことができました。このクラブでは地元の農業を盛り上げるため、野菜の収穫体験、牧場見学や即売会などのイベントを催しています。みんなで活動していくなかで、農業の楽しさや面白味を実感できるようになっていきました。
しだいに「どうしたらもっと農業を盛り上げることができるのか」。そういう観点から農業を見始めるようになりました。農家の人はもっと自分たちの製品をPRしなければいけないと感じるとともに、既存の商売形態だけでは次の世代に農業を繋げるのは難しいのではないかと。クラブ内ではみんなで大きな夢を語り合うこともあります。農業は下火だと言われることが多いのですが、下火であればあるほど、盛り上げていくのはきっと面白いに違いない!――そう考えるようになりました。


「農業が下火なら盛り上げればいい! そう考えるようになりました」



 大成功!「小松菜バカがおる」 

― 都倉農園の現在までの推移を教えてください。

わたしが祖父から農園を引き継いだとき、農園のハウスは6棟でした。それに新しく7棟を建てて現在は13棟のハウスでおもに小松菜と水菜を生産しています。当初は小松菜、水菜だけではなくほうれん草やネギ、山東菜などの軟弱野菜と言われるものを季節ごとにローテーションして作っていました。しかし、そのやり方にわたし自身「ほんとうにこれでいいのか」という疑問を抱き始めました。


― その疑問とはどのようなものですか?

ひとつは「都倉」という名前が忘れられてきていると感じたからです。農家の名前というのは、ある程度の製品を定期的に出荷していくことで売れていくものです。わたしは祖父から受け継ぎましたから、親の世代を飛び越しているわけです。祖父を知る人はいても、親の世代とわたしの同世代の人たちから、都倉という名前が忘れられてきているという危機感がありました。
もうひとつは、季節ごとに製品を変えてしまうと農園の特色が出しにくいということ。製品が多種にわたるぶん、一つひとつの生産量は少なくなってしまいますから。それではほかの農家との差別化を図ることができません。


― どういう対策を講じたのでしょうか?


「すべてのハウスに小松菜を植えました」
まずは生産する作物を小松菜ひとつだけに絞りました。小松菜の専作です。もう、すべてのハウスに小松菜ばかりをざあっと植えまして(笑)。これは経営的な攻めでもありました。まず、小松菜の販売単価は高くありませんので専作する農家があまりいないということ。そして、小松菜だけをどんどん出荷していくことで「小松菜といえば都倉」と言われるようにしてみようと。とにかく挑戦してみました。
単価が安い製品ですので、経営の面で大変なこともありました。しかし、それを一年も続けると市場のほうでも「小松菜バカがおる」とだいぶ知られるようになりました。その点では大成功です。しかし、すぐに生産のペースに販売先がついてこなかったこともありましたので、水菜も栽培することにしました。



 専作することのリスク 

― 現状、問題と感じていることはありますか?

生産ということについて言えば、夏場の暑さ対策です。夏のハウスの中は50度あまりにも上ります。小松菜は比較的暑さには強いのですが、水菜はそうではありません。対策として、日光を20〜30%カットする遮光ネットをハウスの屋根にとりつけています。小林種苗の末澤さんに相談し、手配してもらいました。
あわせて末澤さんには、害虫を駆除する薬剤や、害虫を引き寄せ捕獲するための粘着シートのことについても要望を出しています。同じ地元ということで、迅速に対応してくれるので助かっています。

(末澤)ハウスが高温になると生育障害を起こし作物の生育に悪影響を与えますので、寒冷紗や遮光ネットというものが必要になります。
害虫駆除については、薬剤に混ぜて使用する展着剤をお勧めしました。水をはじく野菜だと薬剤を撒布してもすぐに流れ落ちてしまうんですね。展着剤を混ぜることによって、薬剤がとろみのあるのりのような状態になり、長時間野菜に付着する。それを食べた虫を駆除するだけではなく、薬剤が野菜に吸収することを防ぐ効果もあります。さまざまな要望をお聞きしてハウス資材の提案と販売をさせてもらっています。

さらに、小松菜と水菜の専作には大きくふたつのリスクがあります。ひとつは、いつも同じ作物が栽培されていますので、害虫が居ついてしまう可能性が高いということ。悪い条件が揃うと害虫が発生しやすくなる。もうひとつは連作障害。連作障害とは、同じ土壌で同じ科目のものを作り続けることで作物の病気など多くの障害が出てくることです。たとえばアブラナ科の小松菜、水菜だけではなく、ほうれん草(アカザ科)やネギ(ネギ科)をローテーションして植えるほうがいいんです、土壌にとっては。


― それでは他の作物も生産しようと考えているのですか?

考えないわけではありませんが、今すぐにというわけにはいきませんね。前述したとおり、当農園の販売先にとって、一年中同じ野菜が無いと困りますから。ほんとうはいろんな科目の作物を栽培して土壌の質を高め、製品の品質もどんどん高めていくのが理想的ではあるのですが、今の農園の規模では販売先の要望に対応できなくなってしまうおそれがあります。
最近はサラダなどに使われるルッコラを少しではありますが生産しています。末澤さんにもいろいろな作物のサンプルをいただきながら試験的に栽培していますが、結果が出るまでには時間がかかるものですから。ほうれん草も考えてはみたのですが夏場に弱いですからね。

(末澤)夏場に強い作物はなにか、どのような品種があるかなど、そういった情報こそ種苗会社である当社の得意とするところです。要望をお聞きして何度でも提案させていただきます。


末澤 「地元の種苗会社として、どんな要望にも迅速にお応えしていきたい」



 製品の品質こそが信用につながる 

― 将来の展望についてお聞かせください。

じっくりと時間をかけながら、ハウスの棟数を現在の2倍まで増やして多品種生産をしていきたい。そのことを考える時期に来ていると感じています。実現するためにはわたしひとりでは難しい。人材を育てることが必要ですし、既存の販売先のニーズを引きだして栽培していく作物の検討も必要です。品種が増えるということになれば、新規の販売先も開拓していかなければ供給過多になってしまいます。


― 課題を解決するために大事なこととは?

まずはお客様との信頼関係をしっかりと作っていき、信用いただくということです。わたしたち農家の場合はそれがはっきりしていて、製品の品質こそがすべてです。製品の出来が良くないときは出荷しない。そう、はっきりと言うことも大切です。わたし自身、そのこだわりが無くなったらだめだと考えています。
さらに行動範囲を広げ、情報を集めながら次の次まで見据えていくことが大事です。そしておそれずにどんどん新しいことに挑戦していく。小林種苗さんには、種苗会社ならではの広いネットワークと知識を生かした提案を今後も期待しています。








都倉様、本日はお忙しい中、
貴重なお話をありがとうございました。

※ 都倉農園のブログ
※ 取材日時 2011年10月
※ 取材制作:カスタマワイズ